最終話 過去の私、今の私
2018年 冬
新宿のとあるカフェにてパソコンで作業していた。
そして、横に置いてあったスマートフォンがなってて、いつもお世話になっているクライアントさんからだ。
「もしもし、お世話になってます。倉並です。どうされましたか?」
「倉並くん、この前の撮影のデータとモデルのキャスティングの代金と見積もり書まだー?期限昨日まだでだよ。」
「あぁーすいません!すぐに納品します!見積書も送ります!」
「困るよー!ちゃんと期限内に送ってね!忙しいのはわかるけど、頼むよ!期待してるんだから!」
「はいー!いつも色々助けてもらってるのに、すいません!」
電話を切った後私は急いで、見積書のデータを作った。
今、私は何をしているのか。
2013年に高校を卒業して、あれから5年経った。
そのまま大学に入学して、1年の頃はオールラウンドサークルのようなものを立ち上げ、文化祭実行委員に文化祭にコミットしたりサークルにたくさん入ってたり、2年と3年はいろいろなイベント・広告・芸能のベンチャー企業でインターンシップにて企画とか営業の仕事を経て、個人事業を始め、それ以外にも、もともとやっていたカメラマンやイベントを企画していた。
そして、大学卒業後も会社に就いたも半年で辞めてしまい、今は起業を試みたしがないフリーランスとなっている。
事業はモデルキャスティングや人材派遣、カメラマン、ビットコイン、みんなが参加したくなるようなイベントを企画している。
そして、現在は新宿にある友達の家と、同じみ横浜市青葉区の実家を行き来している。
今は法人化への準備をしている、フリーランスという名の自由人だ。
何時に起きても、何時に寝ても良い。無理して満員電車を乗らなくても良い。
ミスをしても誰からも怒られない。
自分の好きなようにスケジュールを組み立てられ、好きな時に遊びの予定を入れられ、好きな時に仕事できる。
そんな誰もが羨むような夢みたいな生活を私は送っている。
普通、新卒の代と言ったら、みんな会社に就職して、毎朝スーツ着て満員電車に乗って、上司や先輩に怒られてひたむきに仕事たくさんして。
だが、私だけ違う。
本当にこれで良いのだろうか。1つの葛藤があった。
私はカフェで自分の仕事をした後、高校の頃入っていたボランティア団体の新年会があった。
新年会には実は大学2年の頃から、あまり顔を出しておらず、先日先輩と同期から連絡が来て、そこで誘われて参加することにした。
確かに顔を出さなきゃだし、ここの活動の私の原点だ。
この活動を得なきゃ、今の私はない。
そのため、この団体は特別だから。
仕事が長引いたため、少し遅れて恐る恐る会場の呑み屋のドアを開けると、
「おぉー!!!久しぶりだね!!りょーのくん、元気にしてたー!???」
「みんな。。。。。」
「あ、はい!元気です。」
「ここに座りなよー!いつもSNS見て、可愛い子の写真とかご飯行ってるの見てるよ!あれめっちゃ羨ましい!」
「はははは」と私はクスクス笑った。
みんな、相変わらずだった。
大学2年生ぶりの人もいれば、数名高校生ぶりに会った人もいた。
けど、みんなは会社帰りということで、スーツやオフィスカジュアルのせいかどこか高校生の制服の頃と雰囲気が違ってた。
みんなは大手企業をはじめ、ベンチャー企業に属している人、中にはまだ大学生で勉強を頑張っている人や大学院生もいらっしゃった。
自分だけだった、こんな学校も卒業して自由に気ままに動いているのは。
「みんな、お前のこと気になってて、すごい話聞きたかったんだよ。」
「あはは、わざわざ自分なんかにありがとうございます。」
「ねねね!あの可愛い子とかはいつも1:1なの!?プライベートとかもつながりあるの!?」
「撮影は基本的に1:1だよ。仲の良いモデルの子は、たまにご飯行ってたり、カラオケとか行ってるよー。」
「マジかよ!めっちゃ羨ましい!今度俺に紹介しろよ!」
相変わらず、調子の良いゆい先輩は
「今度、ここの呑み会に可愛い子連れてきてよー!友達になりたい!」
みんな相変わらずで、外見は変わっても中身は変わらず安心した。
「みんな元気そうで、何よりです。」
「けど、びっくりですよね。入ったばっかはおとなしくて、すごい消極的だったのに今はこんな感じになってしまうなんて」
しかし、ボランティア団体に入って最初に話しかけてくれたシュン先輩は
「そうかな?俺はりょーのがいつかはこうなると思ったよ。」
「え、本当ですか、、、?」
「うん。出会った時から。あれは7年前かー。もうだいぶ前だな。」
「最初はお前すごいおとなしくてよくわからなかったんだけど、なんだかんだ最後は大きなことするんじゃないかと思ったよ!こういう奴こそ、なんか大きなことするんだよなー!」
「先輩、、、、、」
「俺はやっと本当のりょーのに出会えた気がするよ。」
その言葉を聞いて、目から涙腺が出て感情が揺すぶられた。
「しかし、まさかホームレスになるとは思わなかったけどな!」
「いや、僕も会社を辞めた後、まさかホームレスになるとは思ってませんでした。あの時は泊めさせていただいてありがとうございます。」
(※こちらを詳しく聞きたい方は僕に個別でメッセください)
みんなも「出た笑」という反応。
「この前、こいつうちの家にも1週間くらいいるんだよー笑、めんどいから合鍵渡しちゃった笑。」
みんな、「お前、やば。。。。笑」という反応だった。
「あー。。あの時は本当にすいません」
「あの時は本当に色々やられていました。精神もやられていて、うつ寸前にもなっていましたし、またみんなにご迷惑をおかけしてしまいました。。。」
「何か、みんな就職してるのに、僕だけこんな好きなことして良いのかなーて、最近自分の活動に疑問を持ち始めて。」
するとシュン先輩が
「どうしたー?急に怖気ついて」
「そんなまだ若いんだから好きなこと一生懸命やれば良いんだよ。それに家がなくなってまで、そんなどん底な状況に追いつめられたにも関わらず、夢に向かって、走っていくお前は輝いててかっこいいぞ!」
「俺はりょーのが大成功する姿がぼんやりとだけ見れるよ。そして、一度どん底を味わったやつの方が成功できる確率が高いみたいだよ。」
私はその言葉を聞いて、少し勇気が出てきた。
正直に話すと、私はこの活動にどこか不安を抱いていたが、仲間に話すことで不安が除去された。
自分のやっていることは間違っていないんだと。
私は何年たっても強い絆で結ばれて、どんな時でも頼りになる仲間・先輩、「こういう関係いいなあ。」私はそう感じた。
そして、先輩がふざけて
「よーし、りょーのが社長になって大成功したら何をおごってもらう!?」
「俺は叙々苑をおごってもらおうー!!」
「私は、ブランド品のバックを買ってもらう!」
「あたし、イタリアとかヨーロッパに行きたい!」
みんな、酔った勢いでふざけて自分の達成したいことを言う。
「いやいや!そんな成功できたわけじゃないし!笑」
「けど、みんなに何か奢れるように頑張ってみます!」
「頼むよー!社長!」
何年たってもこうやってふざけられて、バカして時には助けあって励ましあって、信頼しあえお互い応援しあえる。
そして、私はこの仲間たちに助けられた。
彼らがいなければ、こんな起業も試みないし、今の「倉並 諒之」とは全くべつの人間になっていただろう。
そうなると、少し怖いなーとも感じた。今も私はずっとどん底の人生だったのかなと。
私は改めて「仲間」って良いなぁというのを再認識し、こんな私でも気をつかって頂いてるんだからもっと大切にしなくてはと思った。
この先、どうなるかは私はわからない。
もしかしたら、今後どこかで失敗して、普通に就職してサラリーマンになるかもしれない。
はたまた、そのまま会社を立ち上げて成功して、それを有名企業にしてオーナーになり、心理カウンセラーやカメラマン、そして世界の各地に旅して美味しいもの食べて、旅して豪遊に遊んで生涯を終えて、自分の夢通りの生活になるかもしれない。
私は「希望と夢を与えられ、弱い人や困っている人を支えられる」人間になりたい。
どんな人だって努力すれば必ず夢や目標は絶対に叶う。
そして、仮に失敗したってそれは本当に「失敗」とは言えない。
「私のやった仕事で本当に成功したのは。全体のわずか1%に過ぎない、99%は失敗の連続であった。」
そう、これは本田技研工業、通称「ホンダ」の本田宗一郎さんの言葉だ。
そして、世界的な有名歌手のスーザンボイルだって、アスペルガー症候群を持ってハンデもあり、ずっと何十年も歌手活動がうまくいかなかったが、その何十年決して諦めることはなかった。
そして、諦めなかった結果、世界的な有名な歌手となった。
失敗なしに成功はできない。
だから、みんな失敗やどん底を恐れないでほしい。
失敗やどん底を恐れて諦めてしまったら、そこで成長がとまり、それこそ本当の失敗につながってしまう。
私だって、最初はフリーランスやカメラはおろか、勉強もできなかったしスポーツもそこまで得意でもなかったし、人と話すのも苦手だった。人生が辛くて自殺すらも考えてきたくらいだった。そして、フリーランスを目指す中で失敗も多々あり、途中で逃げ出したくなることがあった。
しかし、そんな私でも「諦めない」という気持ちと「絶対やってやる!」という勢いだけで、ここまでやってきた。
そんなただ気合いで行けると思った、何も才能がない私でもここまでできたんだ。
これを読んで頂いてる、皆さんは私よりももっとできる人たちだろうから、皆さんだって、起業でも大金持ちでも何でもなれるはずだ。
「失敗は成功への階段を1つ登ったということ」
これは私の信念だ。
みんなからも、「あいつは最初はどん底から始まってたけど、今はこんな大成功してるんだ。きっと自分たちだって努力すれば成功できるんだ。」
そのように思って頂けたら非常に幸いだ。
そんな人になるため、私はまた弱者、誰かを支える助けるために活動できる人間になるため、日々まだどこかで奮闘しています。
私のフリーランス活動はまだまだ続く。
The end…..