第2章 少し見えた希望の光
高校入学
入学式の日
新たにクラスが配属され、そこの教室に行きました。
新しいクラスメイトはもともと付属の中学もあったことから、半分は顔見知りでもう半分は知らない人という構成でした。
他にも制服もネクタイの柄しか変わらず、キャンパスの場所も幼稚園からカウントすると10年以上変わらず、また男子校というのも変わらなかったため、全く新鮮味がなかった。
「あと3年もいるのか、、、早く卒業したい、、、、」
本来は新たな気持ちで迎える入学式の日もそんな感じでした。
授業に入るも中学と変わらない日常。
外部の中学から入った人と頑張って話して友達を増やそうとするも、付属の中学でのクラスメイトから当時の色々な噂や情報が新しい高校からの外部の人に流れたり、もともとの学校の雰囲気に馴染めなかったりで
最終的に友達になることはできませんでした。
そして、親に学校やめたい。通信の学校とか自宅学習でできるところに転校したい、といった。
しかし、「そんなところ行っても仕方ない」と親に跳ね返される日々でした。
「辛い。もう逃げたい。自殺する勇気はないし、どこか島とかに行ってそこで生活しようかな。」
時折、学校行く前に行きたくなさすぎて家のトイレで吐いてた時もあった。
そんな時に、地元の友達のたくやがそれを見かねて、「今度、俺の母親がカウンセラーやっているから見てもらう?」と声をかけてくれました。
当時は色々なことにもっと無知であったため、「カウンセラーって何?」と友達に聞いたら
「そんな人がいるのか。そしたらお願いしたい。」
と言って、その友達からカウンセラーである母親を紹介してもらうことにしました。
そして、学校がない約束の日曜日。
たくやの家に行くと、たくやの母親がいて、私に笑顔で迎えてくれた。
自分はカウンセラーというものに最初は半信半疑だったので、真顔で会釈した。
席に着くと、紅茶をだしてくれて、飲んでみるとなんか不安な気持ちが和らいでくれるようだった。
たくやの母親曰く、「その紅茶には特殊なハーブがあるのよ」と言ってくれた。
「特殊なハーブ、、、、」
たくやはなんとこの後予定があるからと行って、外を出てしまった。
家の中には、たくやの母親と私の2人だけだ。
いきなり、知らない人と家の中で2人きりになって、何を話していいか分からない。
そして、たくやの母親が席に着いた時、私に喋りかけた。
「りょうのくん、、、だっけ、?たくやとはいつからお友達?」
そう尋ねてきた。
「小学生の時です。共通の友達の家で遊んでだのが初対面だったのですが、そこで一緒にゲームして仲良くなりました。」
それに対したくやの母親は「そ〜なんだ、小学生くらいの男の子だと共通の趣味あればすぐに仲良くなるもんね〜!」
次に「たくやと同じ高校1年生?高校はどこ通ってるの?」
高一であると同時に自分の通ってる学校の名前を言うと、
「へぇ〜!そうなのね!頭良いじゃない!名門じゃない!」
と言われたが、自分が名門校には通っていいたが、その中で学力は底辺であるという状況を話した。
「そうなのね〜、けど一生懸命頑張ってるんだね、偉いね。今までよくここまで頑張ってたんだね。」と褒めてくれた。
今までは、親や学校の教師からも頑張っても否定的で評価はされなかったが、初めて頑張った経過について褒めてくれて、気持ちが少し落ち着いてきた。
「普段は何をしているの?趣味は?」
以外にも専門的な質問をしてくるのかと思ったら普通の質問だった。
他にも、たくやの小さい頃の写真を見せてくれたり、中には幼稚園の頃の様子のビデオも見せてくれた。
今思うとおそらく、たくやの母親は私を見てまだこの子は緊張してる、距離を縮ませようと思ったのだろうか。
「今はたくや生意気だけど、昔はちょーかわいかったのよ。あー昔のかわいいたくやに戻って」
私は「あはははは」と小笑いをした。
けど、内心私は、「え、カウンセリングを受けに来たのに、このまま終わってしまうの?」
と不安を感じた。
他にも色々な質問や世間話、またたくやの話やそれ以外にも心理テストのようなもので幾つか聞かされ、1時間弱は経った
「普段、学校ではどうしているの?」
これは僕に対して禁断の質問だ。
ちゃんと、たくやは母親に情報を共有できているのか。疑問に感じた。
そのことも詳しく話し
「学校に行きたくない。僕は勉強もできないし、運動もそこまでできるわけじゃないし、友達も全然いないし、行ったって意味がない」
と、答えました。
「そうなの?そのことは先生やご両親には話したの?」
「話したのですが、まともに取り合ってくれません。あいつら大人のくせに終わってます。」
「そうだったんだ、、本当に辛かったのね、、、」
「もし、よろしければおばさんに話してくれない?」
「、、、、、、、」
「この話はもちろん、たくやには話さないから。逆に私もあなたと共通の知り合いはたくやしかいないから、このことを誰にも話すあてがないし、ね??」
「はい、、、」
「、、、、、、」
「私は独りです。誰からも必要されていないんです」
「何をやってもダメなんです、できないんです。」
「そんな最初から弱腰で物事決めちゃダメじゃない、男でしょ」
「、、、、、、、」
「ねぇ、りょーのくん、周りを見返してみようと思わない?」
「見返す?なにでですか?何もできないのにですか?」
「何もできないなんてないわよ。あなたはこんな辛い状況なのに、逃げずに、こうやって私と会って困難を真正面から受け止めてるじゃない。」
「、、、、、、、、、」
「りょーのくん、あなたは将来何がしたいの?」
「僕は、海外が好きなので将来海外を舞台にする仕事や、テレビとか本が好きなので出版やメディアの企業に少し興味があります。
「へぇ〜!!すごいじゃない!!」
「そしたら周りとのコミュニケーション能力とか必要よね、、、」
「けど人と喋るの苦手なので、コミュニケーション能力上げるのは難しいです。」
「なんで?りょーのくん、優しいんだからたくさん友達できるよ」
「、、、、本当は友達が欲しい、、、、、」
「僕だって仲間や友達が欲しい、、、けど自分は何もできないし無理だ」
「ほら!やっぱり心の奥底では変えたいって気持ちがあるんじゃない!」
その時に、僕は目に涙を浮かべて
「けど、自信がないんです。勇気がないんです、、、、今まで失敗ばかりで何か成功できる自信がないんです。」
その時、たくやの母親が私に優しくそっと抱きついた。
「最初から失敗なんてないわ。まだやってみなきゃわからないじゃない。」
私はもう学校でも迫害され、両親とも喧嘩していて、精神もボロボロだった。
たくやの母親に抱きつかれた瞬間、もう今までのストレスが爆発して、まるで何かが一気に解放されたような瞬間でした。
僕も深くたくやの母親に泣きながら強く抱いて、
「僕だってこんな生活嫌だ!!!!!けど、変えたくてもどうすることもできないんだー!!!」
「自分なんて、誰からも必要されてないんだ、、僕なんてこの世に存在してる価値なんてないんだ、、、もう嫌だ、、、頑張りたくないよ、、、」
今まで溜まっていた、悲しみの感情が全て爆発した瞬間でした。
そしたら、たくやの母親も泣きながら
「そんなことないわ、あなたは必要な人間よ。あなたはただ気が弱いだけ、ちょっとの勇気が足りないの。」
そして、最後に
「りょうのくん、あなたは仲間が欲しいんだっけ?」
「はい。」
「そしたら、今度いいところを紹介するわ、今度の土曜日の15時に横浜から近くの関内に来れる?」
「わかりました、今週の土曜日の15時に関内に行けば良いんですね。」
普通なら予定の内容を聞くのに、僕はその時には聞きませんでした。
なんでかは知らないけど、この人についてば何かが変わるかもしれないと思った。
そう言って、僕は夕焼けの空の下を歩いて、自宅に帰った。
そして1週間後。
その土曜の15時。僕はお昼過ぎまでは学校があったので、帰りのHRが終わりその日は掃除当番だったので掃除をしていた。
掃除が長引いてしまい、予定より出る時間よりも少し遅くなってしまったため、遅刻すると思い、駆け足でバス停まで走って、そのままバスで最寄の駅に着き、関内までブルーラインで乗った。
関内駅に着き、約束の待ち合わせしていたところにいると、たくやの母親がいた。
笑顔で手を振ってくれ、そのまま合流して一緒についていった。
「今日、連れて行くところは、あなたと同じ世代の人が一生懸命頑張っているところなの。」
と言われ、最初は自分でも「この人は何を伝えたいんだろう」と思ってたが、とりあえずついていくことにした。
そして、青年館のような建物のところに到着して、「ここよ」と言われ、入った。
この瞬間、僕の新たな本当の人生の第一歩が始まる。
To Be Continue
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たくやのお母さんのカウンセリングによって、希望の光が少しだけ見えた僕。
「友達が欲しい」「今の現状を変えたい」。果たして、その想いは実現できるのか。
青年館の先には何があるのか。
前回の投稿では、この話で解決する予定だったのですが、どうやら終わらなさそうです。
長くなってしまい、申し訳ありません。
次回の投稿を少しでもお楽しみにして頂ける方がいらっしゃいましたら幸いです。